皮膚科のご案内

【皮膚科】

 皮膚科では、湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、水虫、いぼ、ニキビ、ヘルペスなどの一般的な皮膚疾患をメインに診療を行っております。ほくろをはじめとした皮膚のできものに関しては、当院で切除できるものとできないものもありますので、診察時に一度ご相談下さい。なお、老人性のシミに対する加療は行っておりませんので、予めご了承下さい。 基本的には日本皮膚科学会のガイドラインに基づいた標準的な加療を選択し診療を行っておりますが、必要と判断される時はステロイド外用剤も積極的に使用し、症状にあわせて対応いたします 。
 平成27年4月から診察日が水曜日の午後を除く月曜日から木曜日の午前・午後、第1・第3土曜日の午前となりました。

【皮膚科担当医】
 
●前田学

      

【曜日別外来担当医】
曜 日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
午前
※1
前田 前田 前田 前田 ※3
午後
※2
前田 前田
※4
前田

 ※1 午前の受付は、8時30分~11時30分です。
 ※2 午後の受付は、13時30分~16時30分です。
 ※3 土曜日は、毎月第1、第3土曜日のみとなります。(担当医は、岐阜大学病院皮膚科医となります。)
 ※4 水曜日の午後は往診・手術日となっています。


【皮膚形成手術について】

皮膚科では熱傷、潰瘍には分層ないし超極薄植皮術、ならびに腫瘍全摘出後、全層ないし各種皮弁術を用い丁寧な皮膚形成手術を行っています。機能的かつ美容的にも好評を得ています。特筆すべきことは表皮嚢腫を径数mmの穴をあけて内容物のみ取り出す手術(へそぬき法)を実施していることです。手術時間の短縮や出血量や局麻剤が極めて少ないことが特徴で術傷も少なく好評です。

参考文献:前田 学 へそぬき簡易手術法の応用
    皮膚科診療のコツと落とし穴 4 治療、西岡清編集、中山書店、p182-1832006

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参考画像1

 

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参考画像2



【生検ブレード法を用いた各種皮膚腫瘍の診断と治療】

 ご存じのように手術といえばメスで切ると思い浮かべることでしょう。ところが、特殊な刃(これを生検ブレードと呼んでいます)を用いて、仕上がりも大変よく、かつ外来で簡便にできる方法を開発しましたので、ここに紹介します。この特殊な刃というのが図1のcとdに示しました生検ブレードです。特徴は親指と人示指でつまんでも痛くないようにプラスチック製の特殊な取手が取り付けられていますので、軽く湾曲させることも容易で使い勝手がよいのがありがたいのです。

 2008年度より20123月末までに延べ200例以上の症例(90%以上は良性腫瘍)に使用して参りました。いろいろ試行錯誤のうえで、その使用上の留意点と長所と短所および治療応用についての知見をえることができましたのでここに紹介します。

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 使用方法を簡単に紹介しましょう。

 まず、1%キシロカインにて周囲に局所麻酔をします。次に、生検ブレードをやや湾曲した状態で局面を全体に薄く剥離していくのです。この時いかに薄くスライスするかが腕の見せ所です。図1をごらんください。

 通常、1cm以上の大きさのものは入院手術が必要です。頭部は血流が豊富ですので、手術時に出血が多く、止血するのも大変です。ですから外来で手術するには勇気がいります。ですが、図1のようにものの見事にほとんど傷跡を残さず、成功しました。

 次に各所の代表的な手術成功例をご紹介いたします。老人性疣贅は年齢と共に多発し、見た目もよくありません。明らかに良性と分かれば、液体窒素で凝固させて切除したり、あるいは電気凝固術で、局所を焼き切ってしまう手もあるのですが、問題はこの療法では病理組織検査が出来ないので、本当に良性であったのか、あるいは悪性なのかが区別できないのが欠点といえます。

 そこで治療の見栄え良く、かつ病理組織検査も同時にできてしまうこの療法が俄然注目を浴びるというわけです。「一挙両得」、「一石二鳥」を地でいく療法と絶賛しているのですが、これは「我田引水」といわれかねません。図2をごらんください。かくも大きな黒い結節がものの見事にとりきれています。局麻剤の量もごくわずかで事足りますし、傷跡もほとんど目立たず、しかも手術時間はわずか数分で完了ですので願ったり適ったりというわけです。

 その他の同症でも目の縁の手術が困難な部位でも見事によくなっています(図3
 その他、老人性色素斑に対しても図4のようにものの見事に取り切れています。病理標本でも極めて薄くそぎ落とされていますが、肝心の病変部も完璧に切除できている状態がおわかりでしょうか(図4b)

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 さらに、前癌状態の一つとされています日光角化症ですが、老人の顔面や耳介などの露出部に好発しますが、この疾患にも極めて有用です。図5をご覧ください。は64歳女の鼻背部の日光角化症切除例です。

 切除3週間も経過しますと、ほとんど跡形もなく治癒していますので、美容的にも満足がいくものでした。

 さらに極めつきの例を紹介いたしましょう。

 図6をご覧ください。一見して顔面の有局細胞癌(皮膚癌の一種)と分かる症例ですが、老人の看護施設に入院中の方で、寝たきりで痴呆のため全介助を必要とする状態でした。皮膚癌は通常、入院して大きく切除し、欠損した部位に他の部位から皮膚を植える手術(これを植皮という)が必要なことは説明するまでもありません。しかし、痴呆がはげしく、入院加療もままならない状態でしたので、苦肉の策で本療法を外来でしかもストレッチャーにのせたまま、麻酔して切除できました。所要時間は5分以内で、そのまま施設に帰っていただきました。後で病理標本を確認いたしましたが、一部取り残した部分のあることが分かりましたので、後日同様な方法で取り残し部分のみ再切除いたしました。あくまで一時的な姑息手術で完璧とはいえませんが、今のところ1年以上再発もみていません。この方法は、患者のQOL()の観点からも症例によっては有用な方法と考えられます。

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 以上の代表例のように、いろいろな皮膚疾患に対して広く応用できることを実証してまいりました。

 電気メスと異なり、比較的平面ないし、周囲にある程度の広さを有している局面しか適さず、抗凝固剤を内服している方には止血時間が長引くのが欠点の一つといえましょう。生検ブレードは電気メス使用時と比較して組織挫滅が少なく良好な病理標本が得られる点も利点の一つと考えています。

 日光角化症などの前癌状態の精査に適すると同時に病変部全体の切除もできる利点が特徴で、有棘細胞癌やボーエン病などの入院植皮術を必要とする例、たとえば図6で紹介しました寝たきり全介助例や痴呆等の理由で困難な例では外来でも簡便に手術できる利点は大きいと考えられます。

 このような特性を踏まえた症例の選別が必要不可欠であることはいうまでもありませんが、外来で簡便に施行できる面を考慮すると、術者の負担軽減のみならず患者自身のQOLの改善に貢献できることが特徴と考えています。(文責前田学)

注)このデータの一部は第26回日本皮膚外科学会(20118月)および第21回欧州皮膚科性病学会議(EADV;20129月、チェコ・プラハ)にて発表済みです。なお、貝印(株)から日本語および英文パンフレットが作成されています。

注)QOL;クオリティ・オブ・ライフ;生活の満足度を示す指標

※図の説明

図1 手技の実際;
65
歳男;頭部の毛包系腫瘍例(a)
bcd
のように局麻して茎部から生検ブレードで切除し、dのように出血部に止血ガーゼを当て数分間患者の指で圧迫して止血し、数日後に外傷部を確認しました。fのように7-14日で上皮化しました。
276歳男例;左頬部の老人性疣贅切除例。図2bの矢印のように切除後の美容的な仕上がりの良さも自慢です。cのようにぎりぎりながらほぼ全摘出できています。
3)下眼瞼部の老人性疣贅例;目に近い部は手術が困難ですが、実に簡単にとれました。
471歳男例;右手背の老人性色素斑切除例
極めて薄く取れましたので、仕上がりも上々です。

5)鼻背の日光角化症切除例;薄く切除すると仕上がりが綺麗になります。
679歳女性、痴呆状態で全介助を必要とする老人施設入院患者;本方法で切除(姑息的)可能で、一部残存した部位は別の日に再切除しました。